日系企業による様々な事業展開

カタルーニャ州は非常に多くの日系企業が進出していることで知られています。進出企業の業種、業態、事業規模も多種多様です。そして進出した日系企業の多くが高い収益をあげています。これは、一旦進出した企業の撤退率が非常に低い事、日系企業投資総額に占める既進出企業による再投資の比率の高さが証明しています。カタルーニャ州への日系企業の進出が始まったのは1970年代の初めに遡りますが、現在ではその数も150社を超え、毎年着実に増加を続けています。

1970年代
1980年代
1990年代
2000年代

1.製造業

カタルーニャは歴史的に製造業の発達した地域であり、日本からの投資もこの分野において特に活発です。州内で操業する日系企業の工場の数は40を超えますが、これは欧州でも有数の集積度となっています。

日系製造業の進出が多い業種は自動車、自動車部品、二輪車と同部品、電気電子、ファイン・ケミカルを中心とした化学などですが、それ以外の分野への進出も近年増えています。カタルーニャの製造業は非常に多様化しており、日本からの投資もそれに応じて幅広い分野に広がっているのが特色です。

カタルーニャの製造業の特色の一つとして中小企業の多さが挙げられますが、こうした中小の地場企業と日系企業との間の合弁事業の事例が増えているのも最近の傾向です。また、グローバリゼーションの進展に伴うメーカー間の事業再編等の結果、カタルーニャの工場が日本企業に買収されるケースも2000年代に入ってからは増えています。カタルーニャのメーカに生産を委託する日系企業もあり、製造業部門における日本とカタルーニャの結びつきを一層強くしています。

代表的な進出企業名、それぞれの進出時期と主要製造品目を見てみますと、1970年代に進出したYKK(ファスナー)、花王(トナー、香料、顔料)、ソニー(液晶テレビ)、80年代進出の日産(自動車)、ヤマハ(二輪車)、ホンダ(同)、シャープ(液晶テレビ)、90年代のデンソー(車載コンピューター)、ショーワ(ショック・アブゾーバー)、日立アプライアンス(空調システム)、大日本インキ(顔料)、2000年以降進出の豊田自動織機(フォークリフト:BTブランド)、二フコ(自動車用ファスナー)、TBK(オイルポンプ・ウォーターポンプ)、住友ベークライト(フェノール樹脂)、日本電産(車載ファンモーター)などがあります。

非熟練労務費の単純な比較でこそ旧東欧諸国にー歩譲るものの、ラインワーカーの生産性、管理職レベルの人材の安さと豊富さなどを加味した場合の総合的な労務コストパフォーマンスの高さ、整備された投資環境、教育水準の高さと勤勉な国民性、教育・研究機関の集積もあいまって、製造業の進出先、特に付加価値の高い製品分野での投資先として欧州トップクラスの魅力を有しているのがカタルーニャ州なのです。